<参考26> 河川敷の春から初夏にかけての草木と花
【マメ科】 イタチハギ属 : イタチハギ
ここのイタチハギは2014年に選別して全て駆除されたようで、初夏の頃にはすっかり姿を消していた。トウネズミモチなどが結構混み合っていた場所だったが、イタチハギだけをそっくり引き抜いたようだ。
【マメ科】 フジ属 : フジ (参考)
葉は典型的なマメ科らしい長楕円形の羽状複葉で、小葉は5〜10対。マメ科の木本はあまり見る機会がなく珍しいものだが、花も青いうちは目立たず、木が周囲の樹木に埋もれてしまったような感じなので、日頃はその存在に気付くこともない。
然し5月には独特な棒状の花座のようなものを多く出して奇妙な様相を呈するようになるので、これは何だと思わず注意を喚起されるようになる。
イタチハギは北米原産。法面の緑化に安易に外来種が導入されたて植えられた時代に、これも積極的に輸入され栽培されるようになったという。花は枝先に10〜20センチ程度の穂上の花序を伸ばし、黒紫色の蝶形花が密集する。(この様子からクロバナエンジュという別名がある。)
ただ、日本生態学会が定めた”日本の侵略的外来種ワースト100”の維管束植物欄に、アレチウリ、オオオナモミ、オオキンケイギク、オオブタクサ、セイタカアワダチソウなどと並びイタチハギも選定されている。
何年か前にここから出火した火事騒ぎがあった。周囲にはトウネズミモチの大きな木が数本あって、半ば木に囲まれたような場所なので、堤防を越えて延焼するというような恐れは感じられなかったが、本格的な火災で、消防が船着き場にポンプ車を固定して放水する演習もどきの光景を目撃した。建物はほゞ全焼という感じになったが、木は殆ど燃えることはなかった。
この場所のトウネズミモチの外側にフジがあって、トウネズミモチを土台に這い上がったような体裁で、4月中旬には綺麗な花を咲かせ、植物園の藤棚で見るような房が長く垂れ下がった姿ではないが、こんなところで意外にも結構野性的なフジの姿を見ることが出来る。