<参考26>  河川敷の春から初夏にかけての草木と花


     【ヒルガオ科】  ヒルガオ属 : ヒルガオ・ハマヒルガオ

 





 


 





 


 

     【ヒルガオ科】  ネナシカズラ属 : アメリカネナシカズラ

 

アメリカネナシカズラは北アメリカ原産の帰化植物。1970年頃多摩川の府中近辺で発見されたが、瞬く間に全国に広がったとされる。(発見者で和名の命名者とされる曽根伸典(ソネノブツネ)氏は、民間出身で工場経営の後に植物研究に転じた人で、主として府中〜日野の辺りで、カワラノギクなどの研究を行って、その後の研究者にに大きな影響を与えた。)

アメリカネナシカズラは1年性の蔓植物で100%寄生に頼って生息する。種子によって繁殖するが、寄生する植物に巻き付いた後では根は消失するという。葉緑素を持たないので全草が黄色で、これが伸び始めたセイタカアワダチソウで埋まった法面に繁殖すると、網を打ったかのように密に絡み合い、離れた位置から見ても法面が黄色く染まって見える。
これを知らない内は、まさかこれが生きた植物とは思わず、何かが広汎に枯れた跡か、網か紐のようなものが捨てられてある光景としか受け取らないだろう。

これを始めて撮ったのは、2015年7月10日で、場所は左岸の7.5km辺りにある川の一里塚の上手で堤防から河川敷に降り、区民広場から川裏に安養寺がある方向に少し行った所。100メートルほどの間続いて、堤防法面を黄色く染めていたので、如何にも異様な感じがして、正体を確かめに近づいた。上から6枚目までの写真はこの時撮ったものである。
この辺にあったのは、セイタカアワダチソウがロゼットから伸び始めた段階のものが多く、アメリカネナシカズラはこれに巻き付いているものが多かった。





ここからの4枚は二日後の2015年7月12日で同じ場所での撮影。
アメリカネナシカズラなるものを教わって、急遽花の写真を撮るために出直した。前に見た時は丸い球のようなものが多く付いていて、これが蕾だとすれば、花を撮るには一寸時期が早いとは思ったが、この年の梅雨は結構雨が多く、堤防はもうセイバンモロコシなどが猛烈に繁茂していた。前日に梅雨明けとなり、もう何時除草が行われてもおかしくはなく、この寄生草が根無しでは、除草が行われた後に復活してくる保証はなく、早めに撮っておこうと思ったため、梅雨明け十日と言われる猛暑の中だったが、この日に出向いた。
花は直径3ミリ程度の球形で、先端は5裂して、これが小さな3角形の花弁のように開き、中央には花柱があり、周りにオシベが5本突き出している。このような球形の花が数十個まとまって付き、探して廻ると何カ所かで開いているものを確認することが出来た。




その後除草が行われなかったので、7月19日にもう一度アメリカネナシカズラを撮った。ここからの3枚はその日に撮ったもので、咲いている箇所は一週間前よりかなり多くなっていた。

この頃までには、南六郷の六郷水門近くの堤防下の平面など、あちこちでパラパラ見かけるようになった。おそらく前から見てはいたのだろうが、まさかこれが一種の植物だとは思わなかったので見過ごしていただけのことだろうと思うようになった。



ここからの2枚は2015年7月20日で、大師橋緑地の川縁に、シオクグの熟した実を撮りに、ヨシの繁茂した旧護岸上にヨシを掻き分けて入った時に、アメリカネナシカズラを見付けて撮った。こんな所にもと思わせるような、ヨシに覆われたような中にあった。さすがにシオクグでは弱すぎるのだろう、多くはヨシに巻き付いていて、僅かにはホウキギクの茎に巻き付いているものもあった。


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