<参考26> 河川敷の春から初夏にかけての草木と花
【ヒルガオ科】 ヒルガオ属 : ヒルガオ・ハマヒルガオ
【ヒルガオ科】 ネナシカズラ属 : アメリカネナシカズラ
アメリカネナシカズラは1年性の蔓植物で100%寄生に頼って生息する。種子によって繁殖するが、寄生する植物に巻き付いた後では根は消失するという。葉緑素を持たないので全草が黄色で、これが伸び始めたセイタカアワダチソウで埋まった法面に繁殖すると、網を打ったかのように密に絡み合い、離れた位置から見ても法面が黄色く染まって見える。
この頃までには、南六郷の六郷水門近くの堤防下の平面など、あちこちでパラパラ見かけるようになった。おそらく前から見てはいたのだろうが、まさかこれが一種の植物だとは思わなかったので見過ごしていただけのことだろうと思うようになった。
これを知らない内は、まさかこれが生きた植物とは思わず、何かが広汎に枯れた跡か、網か紐のようなものが捨てられてある光景としか受け取らないだろう。
この辺にあったのは、セイタカアワダチソウがロゼットから伸び始めた段階のものが多く、アメリカネナシカズラはこれに巻き付いているものが多かった。
アメリカネナシカズラなるものを教わって、急遽花の写真を撮るために出直した。前に見た時は丸い球のようなものが多く付いていて、これが蕾だとすれば、花を撮るには一寸時期が早いとは思ったが、この年の梅雨は結構雨が多く、堤防はもうセイバンモロコシなどが猛烈に繁茂していた。前日に梅雨明けとなり、もう何時除草が行われてもおかしくはなく、この寄生草が根無しでは、除草が行われた後に復活してくる保証はなく、早めに撮っておこうと思ったため、梅雨明け十日と言われる猛暑の中だったが、この日に出向いた。
花は直径3ミリ程度の球形で、先端は5裂して、これが小さな3角形の花弁のように開き、中央には花柱があり、周りにオシベが5本突き出している。このような球形の花が数十個まとまって付き、探して廻ると何カ所かで開いているものを確認することが出来た。