<参考26>  河川敷の夏から秋にかけての草木と花


     【ヒガンバナ科】  スイセン属 : スイセン (参考)

 
水仙は地中海沿岸地方原産の多年草でヒガンバナ科の一属をなす。ただ日本の水仙は原産地のものとはかなり違っていて、原種から見れば変異種という存在らしく、ニホンスイセンと呼ばれることもある。
主として海岸などに群生地を作り、花の少ない冬季に咲くことで各地は名所になっている。越前地方が有名だが、関東では伊豆半島の先端、下田から須崎方向に行った先の爪木崎に大きな群生地がある。
白い花弁が6枚見られるが、外側の3枚はガクで内側の花弁3枚と合わせて花被片(かひへん)と呼称される。中心には黄色い筒状の花弁様のものがあるが、こちらは副花冠(ふくかかん)と呼ばれる。

左の写真は大師橋方面から左岸側を進んできた都道「旧堤道路」が堤防上に上がってくる地点(2014年初めに解体が進み、いずれマンション(グランイーグル)が建つ予定になっている旧シャープの流通センターの裏手:旧「小向」、現「区民広場」の端)の下手堤防上にある「川の一里塚」の上手横、堤防の裏側の法尻で撮った。ここにはかつて園芸種などを植えていた人がいたらしく、今でもユキノシタなどの多様な草種の痕跡が見られる。水仙は主に法尻に出るが、法面の下の方にも幾らか出てくる。


上の写真はオーソドックスな花だが、ここで初めて水仙にも八重咲きというのがあることを知った。
花はポツポツと咲いて、なかなかいい写真は撮れなかった。左の写真は2月18日で、14日に大雪があり、その後も気温が低く、鉄道、道路とも閉ざされたままで除雪も進まない山梨県が、全体として孤立状態のままで、コンビニがヘリで食料を輸送するなどしていた。奥多摩地方や秩父地方など関東甲信越地方で孤立した集落が依然として残るなど、14日の吹雪は厳しい影響を残した雪だった。
この日は矢口橋からガス橋方向を見に行った。雪は殆ど残ってはいなかったが、各地で木の枝が折れたり倒壊しているのが目に付いた。
ここのスイセンも全体がなぎ倒されたようになっていて、僅かにこの一本が開花していたのだが、茎が修復不能なほどガックリと折れてしまっていて、何日このような状態で生き続けていたのかは分らない。花は当然本調子とは思えないが、別に写真を撮れるまではこれを参考にしようと思い、起こして後ろの桜の木にに支えるようにして撮った。

これは3月6日。いくら待ってもなぎ倒された全体が今季中に立ち直るとは到底思えない状態だった。
然し花は次々にポツリポツリと違うものが咲き、僅かに花柄を持ち上げている。そのうちに花期は終わってしまうので、とりあえず今年はこれを撮って、これでお仕舞いということにした。
上の2枚目標準花もこの日に撮った。

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