<参考26>  河川敷の春から初夏にかけての草木と花


     【ドクダミ科】  ドクダミ属 : ドクダミ

 
ドクダミは東アジアに広く分布する多年草。半日陰のようなやゝ湿気た場所を好み、地下茎で栄養繁殖し群落を作る。

独特の強い臭気を放ち、古来より日本の三大民間薬(ドクダミ、ゲンノショウコ、センブリ)の一つとして、様々な薬効があるとされ、民間薬として用いられてきた。

写真は2014年6月9日の撮影。場所は多摩川緑地の端から本流の岸近くを六郷橋まで続く小道の脇。六郷橋に近い辺りの澪筋側にあった小規模な群落で撮った。

初夏に多くの白い花を付けるが、4枚の白い花弁のように見えるのは総苞片で、中央のこん棒状の穂は多数の小花が密集したものである。小花は両性花で花弁は無くオシベとメシベがあるが、受粉せず単為生殖によって種子を作るとされている。

江戸時代の貝原益軒が著した「大和本草」に、ドクダミについて馬に与えて「十薬ト号ス」と書かれていることが有名だが、古来よりドクダミの万能薬ぶりはよく知られ、別名を「十薬」と呼ばれていた。
日本ではドクダミは臭気が先行することもあってか、専ら薬草のイメージが濃いが、ドクダミの中には小花にある小苞が大きく発達して、総苞片が多段形になり八重咲きのような姿になるものがあり、また葉に斑入りのものがあってカメレオンと呼ばれ珍重されるなど、欧米では日本とは違う見方で園芸種のような扱い方もあるらしい。



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