<参考26>  河川敷の春から初夏にかけての草木と花


     【ハマウツボ科】  ハマウツボ属 : ヤセウツボ

 

ヤセウツボは一年草で寄生植物。昭和になってから確認された比較的新しい外来種。要注意外来生物に指定されている。
キク科、セリ科、マメ科など様々な植物に寄生すると言われるが、マメ科(特にシロツメクサ)に寄生するケースが最も多いらしい。実際これを撮った場所も一面にシロツメクサが密生する平地の中。

左の写真6枚を撮ったのは2015年4月下旬で、場所は多摩川緑地の川上側に隣接する大田区民広場の川上側。多摩川緑地は左岸の広い河川敷だが、上流方向の多摩川大橋に向っては川は左方向に大きく湾曲し河川敷は狭まっていく。従って区民広場を最後に河川敷は単なる平地になって、川裏に安養寺がある辺りからトミンタワーを経て多摩川大橋の近傍までは、堤防下の舗装路から低水路までは幅数十メートル程度で、何も無い平面となっていて、大体シロツメクサに覆われている。

ヤセウツボが見られるようになったのはこの年が初めてという訳ではなく、数年前から見ていたが、これほどはっきりした形ではなく、偶々通りすがりに変なツクシのお化けのようなものがあったと、横目で見ていた程度で、詳しく見たり撮ったりすることはなく、いつ頃見られるものかもはっきり覚えていなかった。

2015年は川裏に安養寺がある近辺の堤防法面に、これまであまり見られなかったスイバが結構まとまって見られ、一方川岸側でオニグルミの雄花の拡大写真に挑戦していたことが重なって、堤防と低水護岸を行き来することがあり、その内途中の平地でヤセウツボを見付けることになり、その詳細を撮ることになった。

植物らしいとは思っても葉緑素を持たない、緑色が無い個体なので、どこが葉やら花やら分からないまま写真だけ撮ってきて、帰ってから図鑑などで色々調べることになる。


ここからの2枚は少し経った5月8日の撮影。ゴールデンウイークの明けたこの時期、堤防法面やその下、通路までの間の平面は綺麗に除草されたが、通路から岸辺の散策路までの平面は除草されないので、このヤセウツボも最盛期という感じで、安養寺前の一帯に本数が多く、舌状花も色鮮やかだった。

このころ注意して他の地域も見ていたが、シロツメクサに覆われた平面は多いものの、安養寺近辺の高水敷ほどヤセウツボが出ている場所は見当たらず、南六郷側の六郷橋緑地には全く出ていなかったが、その中間になるバイオリン公園の端、堤防下の通路との間の部分に僅かに出ていることが確認された。

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