<参考36> 河川敷の春から初夏にかけての草木と花
【ガガイモ科】 ガガイモ属 : ガガイモ
花冠が白色のものをシロバナガガイモという。
ガガイモの学名は、Metaplexis japonica (Thunb.) Makino となっている。即ち、この命名者はカール・ツンベルク(Carl Peter Thunberg)であり、記載したのは牧野富太郎博士ということになる。(ツンベルクについては、同じく彼が命名したとされるアカメガシワの項に略歴を記載してある。)
ガガイモ自身は日本を含む東アジアに分布するが、ガガイモ科は大きなグループで、属する植物は特に熱帯から亜熱帯に多く分布し、約250属2700種を含むという。
固有種か史前帰化植物かは分からないが、神話にも登場する植物として知られ(種子の形が引用される)、古くは生薬として使われ、食用にもされた。名前の由来は不明だが、実体としてはつる植物ではあるもののイモの範疇ではない。
花冠の中心部にはオシベとメシベが合体したずい柱があり、ヒョロヒョロ伸びている柱頭がメシベで、ずい柱の太くなった基部の中心に子房があり、周辺部に葯があって昆虫を誘い込むようになっているらしい。
赤紫の色が印象を損ねている感じで、シロバナだったら品があって結構いいかもしれないと思わせる。